データ駆動型価値創造社会において、個人や企業に関する情報を扱う際には、様々な注意が必要となる。また、人工知能(AI)が普及していく中で、その利活用が社会に受け入れられるものでなければならない。本講義では、行政及び医療に関する統計、そして、関係する法律分野の事例とビジネス現場の双方から、それぞれの専門分野の講師が情報に関して守るべきモラルやルールについて解説することにより、データサイエンティストとしての見識について考える機会を提供する。
情報倫理を通して、改ざん・捏造・盗用といった研究倫理にも触れる。
AIの社会実装の例(防犯カメラの監視技術、自律型ロボット(兵器含む)など)との関係についても概要を紹介する。 AIに関する原則/ガイドラインの最近の動向や、AIの公平性、AIの信頼性、AIの説明可能性についても概要を紹介する。
※この中で、生成AIに関連する事項についても、政府や民間において議論となっている事項について解説する。
講義は、いわゆるオムニバス形式。(順番に変更がある場合は、その際は、適宜指示する。)
担当は以下のとおり。 オリエンテーション、個人情報保護法等 滋賀大学 佐藤正昭
医学・医療分野関係 滋賀大学特任教授/神戸薬科大学教授 田中先生、
法的保護関係 滋賀大学 経済学部 須永先生、
法律実務関係 TMI総合法律事務所 寺門弁護士(滋賀大学DS学部インダストリアルアドバイザー)、大石弁理士、渡辺弁護士
機械学習関連 滋賀大学 特任准教授(トヨタ自動車株式会社) 福島 先生
①佐藤 ②佐藤 ③佐藤
④須永先生 ⑤須永先生 ⑥須永先生
⑦田中先生
⑧寺門弁護士 ⑨寺門弁護士 ⑩大石弁理士 ⑪大石弁理士 ⑫渡辺弁護士 ⑬渡辺弁護士
⑭福島先生
⑮佐藤
対面授業、初回授業も対面授業
|
|
|
AI活用も含めたデータサイエンスに関して、情報の取得や利用などで求められる倫理や法律及び社会的含意(Ethics, Legal and Social Implications; ELSI)を理解し、何が適切な行為か自ら考え行動することができる。
|
|
|
第1回
|
(4/10) 1-1. オリエンテーション 1-2. Ai社会とデータサイエンス 1-3 情報セキュリティ
|
第2回
|
(4/17) 2. 個人情報保護に関する基礎用語
|
第3回
|
(4/24) 3. AIと政策等、AIと企業における倫理への取組、インターンシップで求められる情報倫理、その他の話題
|
第4回
|
(5/1) 4. AI・情報と法の基礎(1) ・法と倫理 ・情報の人格的価値の法的保護:個人情報とプライバシー・名誉等
|
第5回
|
(5/8) 5.AI・情報と法の基礎(2) ・情報の財産的価値の法的保護:著作権法、特許法、不正競争防止法等
|
第6回
|
(5/15) 6.AI・情報と法の基礎(3) ・企業におけるデータ収集・利用の法的な注意点 ・AI・情報と法の基礎(1)〜(3)のまとめ
|
第7回
|
(5/22) 7. 医学分野における倫理、医療データベース研究と情報倫理
|
第8回
|
(5/29) 8. データビジネスと法律実務/前編
|
第9回
|
(6/5) 9. データビジネスと法律実務/後編
|
第10回
|
(6/12) 10.データサイエンスと特許実務/前編
|
第11回
|
(6/19) 11. データサイエンスと特許実務/後編
|
第12回
|
(6/26) 12. データ関連スタートアップの法律実務/前編
|
第13回
|
(7/3) 13. データ関連スタートアップの法律実務/後編
|
第14回
|
(7/10) 14. 機械学習品質管理・保証
|
第15回
|
(7/17) 15.まとめ
|
|
|
|
|
履修生は、自分や家族の社会生活や経済活動において、情報がどのように取り扱われているのか、日々のニュースや記事に意識的に触れ、場合によっては、関連するウェブサイト(事業者、官庁等)を閲覧すること。併せて、「参考文献」や「参照ウェブサイト」に示した資料などを読むこと。 このような学習により、授業に加えて情報倫理について理解を深め、教員や履修生との間で見解や意見を交わし、授業に能動的に参加すること。
|
|
|
各教員が授業中に課す小テスト又はレポートにより評価する。
|
|
|
各教員が課す小テスト又はレポートを総合することで行う。
・情報の取得や利用などで求められる倫理や法律及び社会的含意について 秀:多角的に理解し、自らの見解を説得力をもって述べる。 優:十分理解し、自らの考えを積極的に述べる。 良:相応に理解し、自らの考えを述べる。 可:ある程度理解し、何らかの考えを述べる。 不可:理解がなく、考えを述べることがない。
|
|
|
|
|
教科書は、特に指定しない。必要に応じ適宜授業資料をSULMS等により示す。
|
|
|
|
・原則として授業の出欠確認は取らないが、出席を前提とする。 ・レポートの提出は、〆切厳守。ただし、事情がある場合は、必ず事前に担当教員にその旨を申し出ること。
|
|
|
|
本授業は、 公的分野関しては、総務省統計局等で公的統計の作成・分析の実務経験を有する教員が、実務における分析等を踏まえた講義を実施する。
法律実務に関しては、データ関連分野の法務経験を有する弁護士・弁理士が実務を踏まえた講義を実施する。
機械学習分野については、同分野における実務経験がある教員が担当する。
|
|
|
|