Stable Diffusion や ChatGPT といった生成AIが登場し注目を浴びている。生成AIは,これまでデータサイエンス学部のカリキュラムで学んできた機械学習とは趣が大きく異なる。これまで学んできた機械学習は,分類問題や回帰問題といった正解ラベルを用意した教師あり学習や,クラスタリングや異常検知といった教師無し学習が主流であったが,生成AIは自分自身を教師とした自己教師あり学習によってモデル内部に潜在表現を獲得し、画像・音声・テキストといったデータを出力することに特徴がある。また,それらの異なる領域のデータにまたがる潜在表現を獲得することにも特徴がある。 生成AIは社会のさまざまな領域での応用が検討されている。それに対応すべく,この授業では前半を理論編とし生成AIの背後にある理論的な枠組みを学ぶとともに,後半を活用編とし生成AIを使用して実際の課題を解く演習を行う。 本講義の前提知識として、ニューラルネットワークに関する基本的な知識を有することと、Pythonを用いたプログラミングができることを求める。
【授業形態】 対面+オンライン同時配信とする。オンライン区分の単位となるハイブリッド授業である。ただし,後半の活用編については対面参加を強く推奨する。
【授業計画】 理論編:第2回から第7回 活用編:第8回から第11回 成果物発表会とまとめ:第12回から第14回
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(1)生成AIの概要を知る (2)生成AIの仕組みを知る (3)課題レポートや作品の制作の際に,生成AIを正しく有効に使用できるようになる (4)生成AIにまつわる諸問題について正しく理解する
ディプロマポリシーの「データサイエンスの基礎を応用して、多様な領域でのデータ駆動型価値創造を導くための実装力を備えている。」に当てはまる。
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第1回
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ガイダンスと生成AIの活用事例紹介 (飯山)
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第2回
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生成AIを支える理論(1) PyTorchを用いた深層学習 (村松)
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第3回
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生成AIを支える理論(2) 敵対的生成ネットワーク (飯山)
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第4回
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生成AIを支える理論(3) 自己符号化器(AutoEncoder 他), 潜在表現, self-attention (BERT、ViT)(南條)
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第5回
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生成AIを支える理論(4) 系列変換器(Encoder-Decoder), cross-attention, モダリティ変換, CLIP (南條)
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第6回
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生成AIを支える理論(5) 拡散モデル (飯山)
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第7回
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生成AIを支える理論(6) 大規模言語モデル (南條)
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第8回
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生成AIの活用実習(1) 生成AIを使用したレポート作成(青木)
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第9回
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生成AIの活用実習(2) 生成AIを使用したレポート作成(奥村)
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第10回
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生成AIの活用実習(3) 生成AIの創作応用 (江崎)
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第11回
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生成AIの活用実習(4) 生成AIのプログラミング応用 (梅津)
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第12回
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ゲスト講師による講義(島田)
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第13回
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ゲスト講師による講義(島田)
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第14回
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ゲスト講師による講義(島田)
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第15回
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生成AIにまつわる諸問題: 生成AIに関する諸外国における議論の動向(政府、企業)、生成AIに関する国内の議論の動向(主に、政府)、生成AIと著作権に関する議論 (佐藤(正))
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理論編では毎回新しい技術を学ぶので,講義の復習をしっかりと行い,未習得のまま次週を迎えないようにすること。理論編では事前学習・事後学習合わせて2~3時間の時間外学習が必要である。 活用編ではより良い成果物を作成すべく、授業時間外でも作業を続けること。活用編でも2~3時間程度の学習活動が必要である。
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第2回~第7回:講義中に出された課題(確認テスト)によって,成績評価を行う。 第8回~第11回:提出された成果物によって,成績評価を行う。 第12回~第14回:参加状況により成績評価を行う。有志発表者には別途加点する。 第15回:講義中に出された課題(確認テスト)によって,成績評価を行う。 講義に参加しないと各回の課題(確認テスト)の提出は困難である。課題(確認テスト)の期限は比較的短期に締め切られるので,各回,集中力をもって参加すること。 定期試験は実施しない。
各回の課題は10点満点で採点され、講義中N回の課題が課された場合満点は10×N点である。最終的にはこれを100点満点に換算して評価する。
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- 生成AIの仕組みを理解していること - 生成AIを正しく有効に活用できること - 生成AIにまつわる諸問題を理解していること 達成度は,講義中に出された課題(確認テスト)により測定する。得点分布によっては得点を調整することがある。
「秀」:生成AIについて理論面・活用面の両方で正しく理解し、生成AIの活用について独創的な成果物を示すことができる。 「優」:生成AIについて理論面・活用面の両方で正しく理解し、生成AIの活用について成果物を示すことができる。 「良」:生成AIについて理論面・活用面の両方で7割程度の内容を理解し、生成AIの活用について成果物を示すことができる。 「可」:生成AIについて理論面・活用面の両方で6割程度の内容を理解し、生成AIを利用した成果物を示すことができる。
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978-4065133323
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深層学習 改訂第2版
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岡谷 貴之 著・文・その他,岡谷 貴之,
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講談社
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2022-09-02
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9784296203413
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生成AIの法的リスクと対策
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福岡, 真之介,松下, 外,福岡真之介, 松下外 著
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日経BP
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2023.10
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講義の前半(理論編)については機械学習・深層学習についての知識(「AI・機械学習」「人工知能論」など)、およびPythonによるプログラミング(「プログラミング1」「プログラミング1演習」)の知識を前提としている。
パソコンを持参してください。演習とSULMSでの課題(確認テスト)提出に使用する。 Google Colaboratory や ChatGPTなどのアカウントについては、担当教員の指示にしたがってください。
滋賀大学における生成AIの利活用について(学生のみなさんへ) https://www.shiga-u.ac.jp/15529/
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生成AI, 基盤モデル,大規模言語モデル,拡散モデル,ハルシネーション,プロンプトエンジニアリング,深層学習,機械学習,Transformer,Python
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