本科目は、社会データの量的分析の基礎の修得を目的とする演習である。基礎的な統計学の理論や考え方を理解し、調査・実験等で得られる社会データの種類や整理方法を知る。特に、推測統計、統計的仮説検定、多変量解析に関する知識と技術を修得することを目指す。統計の初学者や、統計に対して苦手意識をもっている学生にとっても、学修を進めやすいように内容を工夫する。 Excelによるデータ分析に加え、不足する機能を補うために他の無料の統計解析ソフトウェア(R、HAD)も一部用いたり、紹介したりする。数ある統計解析手法の中でも、広義の社会科学(行動学、心理学、健康科学等を含む)のデータ分析でよく用いられるものを中心に扱う。データの量的分析の特徴をより理解するために、質的分析についても比較として触れる。
授業では、講義と演習をともに行う。演習は、アクティブラーニングと位置付けられる。必要な機材やソフトウェアについては、「受講上の注意事項」に記載の内容を確認しておくこと。 学期の後半では、「授業の到達目標」に記載する項目を念頭に、より実践的な演習も行う。実践演習の具体的なテーマ、進め方、成果発表の仕方といった詳細については、受講生の興味、人数、状況に応じて授業内で決定していき、周知する。受講生同士での議論も重視し、グループワークを行う可能性もある。授業形態は、対面授業である。
本科目は、統計学に関する実践的な科目である。他の関連する科目とあわせて履修することで、体系的な知識と技術を修得することができる(本科目の履修の必須条件ではない)。
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本科目の一般目標(GIO:General Instructional Objective)は、以下の4点である。 1 基礎的な社会データの量的分析について理解するために、統計学の理論や手法を学修する。 2 データの整理や統計解析ができるようになるために、Excel、およびその他のソフトウェアの操作方法を修得する。 3 分析の目的やデータの特徴に応じて適切な統計解析手法を選択し、得られたデータを適切に分析し、その結果を適切に解釈できるようになる。 4 データの分析を念頭に置いた研究計画ついて、考えることができるようになる。
そして、より具体的な行動目標(SBO:Specific Behavioral Objective)は以下の10点である。 1 記述統計について、説明することができる。 2 推測統計について、説明することができる。 3 データを適切に、図表化することができる。 4 統計的仮説検定の考え方を、説明することができる。 5 さまざまな検定・分析を、適切に使い分けることができる。 6 量的分析の考え方や特徴を、質的分析と比較しながら説明することができる。 7 Excel、および他のソフトウェアを用いて、データの統計解析を行うことができる。 8 社会データの量的分析に基づく研究論文を読んで、その方法や結果を適切に解釈することができる。 9 社会データの量的分析に関する研究計画を、自分で部分的にでも立案することができる。 10 実践演習の成果を、他者に正確に、かつわかりやすく伝え、内容に関して議論することができる。
これらは、経済学部のディプロマ・ポリシーの以下の項目と特に関連がある(順不同)。 ・社会に関わる多様な学問に接し、広い知識と基礎的な考え方を習得している。 ・多様な人と協働するためのコミュニケーション能力と規範を備えている。 ・自主的に問題を発見し、課題として解決できるように取り組むことができる。 ・データサイエンスの基礎的な考え方と手法を習得している。 ・経済現象の基本的な内容と仕組みを理解することができ、その基礎的な分析の仕方を習得している。 ・多様な観点から社会の現象を分析でき、社会をシステマティックに理解できる。
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第1回
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イントロダクション、統計学の役割、データ、尺度水準、統計ソフトウェアの準備
(授業計画で示す項目、順番、時間配分等は、状況に応じて微調整することもある。授業内で適宜、議論の時間も設ける。複数の科目で共通して重要なトピックについては、他の科目と内容が一部重複することもあるが、注目する視点はそれぞれで異なる。)
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第2回
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記述統計(演習含)、データの図表化(演習含)、確率分布
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第3回
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相関(演習含)
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第4回
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回帰(演習含)
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第5回
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推測統計、統計的仮説検定
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第6回
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平均の差の検定(演習含)
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第7回
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比率の差の検定(演習含)、相関係数の検定、回帰係数の検定
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第8回
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検定・分析の使い分け、社会調査、量的分析と質的分析
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第9回
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応用的な分析(パス解析、共分散構造方程式モデリング、因子分析、主成分分析等)の紹介、さまざまな統計ソフトウェア
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第10回
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二次データ、データアーカイブ、実際の研究論文を読む、実践演習(研究倫理指導含)1
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第11回
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実践演習2
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第12回
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実践演習3
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第13回
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実践演習4
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第14回
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実践演習5
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第15回
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振り返り、まとめ
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予習:事前に配布する資料に目を通し、各回の概要を把握する。(1回の授業につき1時間以上)
復習:授業の内容を振り返り、配布する確認問題を各自で解く。統計ソフトウェアを用いて、データの分析を改めて行う。疑問が残る場合は、担当教員に質問して解消する。(1回の授業につき3時間以上)
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評価は以下で行う。 ・期末レポート 30% 応用的な論点も含め、授業全体の理解度の評価 ・実践演習の取り組み、成果発表 30% 講義内容に基づく、実践的な取り組みの評価 ・2回の小テスト 20% 基礎的な論点について、対象範囲の授業の理解度の評価 ・各回の授業で提出するリアクションシートの内容 20% 各回の授業の要点の理解度の評価、議論や考察への貢献度の評価、および平常点
これらの事務的な連絡については、授業内でも行う。
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期末レポートや小テスト等の記述問題と計算問題については、以下の項目に従って評価する。これらは、行動目標のうち主に1-7の評価となる。 ・指定文字数に従っているか。過不足がないか。 ・出題内容の問い、趣旨に答えているか。 ・専門用語を適切、正確に使用しているか。 ・文章が論理的か。 ・誤字、脱字がないか。 ・使用した統計ソフトウェアの種類や計算・結果出力の過程がわかるように、情報を残しているか。 ・引用文献、参考文献の出典を適切に示しているか。 答案の作成にあたっては、以下の点を特に意識すること。 ・設問をよく読み、指定された内容をすべて含めること(例:AとBについて説明せよ → AとBの両方を説明する)。
実践演習の取り組みと成果発表については、以下の項目に従って評価する。これらは、行動目標のうち主に8-10の評価となる。 ・社会データの分析に関して、適当なテーマを設定しているか。 ・統計学に関する知識や技術を、活用しているか。 ・成果発表のための準備を、十分に行なっているか。 ・演習全般に対して、主体的、計画的に取り組んでいるか。
最終成績の目安は、以下の通りである。 【秀】社会データの分析に関して、授業で扱った内容のほぼすべてを理解し、主体的に実践に活用することもできた。(90点以上) 【優】社会データの分析に関して、授業で扱った内容の大部分を理解し、実践に活用することもできた。(80点以上、90点未満) 【良】社会データの分析に関して、授業で扱った内容の要点は理解し、実践することもできた。(70点以上、80点未満) 【可】社会データの分析に関して、授業で扱った内容の一部は理解し、部分的には実践することもできた。(60点以上、70点未満) 【不可】授業の到達目標を達成することができなかった(上記の合格基準には達しなかった)。(60点未満)
生成AIの使用は可とするが、以下の注意事項を厳守すること。 ・生成AIの出力結果をそのまま引用するのみではなく、他の方法でも調べた情報や自分自身の考察も加えること。 ・生成AIの種類(ChatGPT、Gemini等)、設定したプロンプト、使用した箇所や目的を明記すること。
その他の基準については、滋賀大学の規程に従う。
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9784623039999
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よくわかる心理統計
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山田 剛史・村井 潤一郎(著)
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ミネルヴァ書房
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2004年
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9784320112414
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Rで楽しむ統計
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奥村 晴彦(著)
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共立出版
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2016年
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参考書の購入は必須ではないので、授業を受講しつつ各自で必要性を判断すること。
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授業には、各自充電済みのノートパソコンを持参することを基本とする。そして、パソコンで有料版のExcelが使用できる受講環境を前提とする(タブレットや無料版のExcelでは機能の一部が制限されることがあるため)。Excel以外のソフトウェアの使用については、授業内で適宜解説する。機器やソフトウェアについては、初回の授業で詳しく説明する。不具合・不都合や質問等があれば、まずは担当教員に相談すること(初回の授業より前でも可)。
授業の内容や学修の進め方について不安・疑問がある場合も同様に、都度担当教員に相談・質問して解消を図ること。統計に関する苦手意識をなるべく減らし、社会データの定量分析の実践に繋げることを目指して欲しい。
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記述統計、推測統計、量的データ、質的データ、統計的仮説検定、有意確率、有意水準、社会調査、二次データ、統計ソフトウェア
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