タイトル
時間割番号: 2563265001
社会データ分析演習
 
担当教員
森田 理仁[MORITA Masahito]
開講学部等 経済学部 対象年次   単位数 2
開講時期 秋学期 開講曜時 木2 クラス  
ナンバリング ECSM33056
授業形態  
授業の目的と概要  
本科目は、社会データの量的分析の基礎の修得を目的とする演習である。基礎的な統計学の理論や考え方を理解し、調査・実験等で得られる社会データの種類や整理方法を知る。特に、推測統計、統計的仮説検定、多変量解析に関する知識と技術を修得することを目指す。統計の初学者や、統計に対して苦手意識をもっている学生にとっても、学修を進めやすいように内容を工夫する。
Excelによるデータ分析に加え、不足する機能を補うために他の無料の統計解析ソフトウェア(R、HAD)も一部用いたり、紹介したりする。数ある統計解析手法の中でも、広義の社会科学(行動学、心理学、健康科学等を含む)のデータ分析でよく用いられるものを中心に扱う。データの量的分析の特徴をより理解するために、質的分析についても比較として触れる。

授業では、講義と演習をともに行う。演習は、アクティブラーニングと位置付けられる。必要な機材やソフトウェアについては、「受講上の注意事項」に記載の内容を確認しておくこと。
学期の後半では、「授業の到達目標」に記載する項目を念頭に、より実践的な演習も行う。実践演習の具体的なテーマ、進め方、成果発表の仕方といった詳細については、受講生の興味、人数、状況に応じて授業内で決定していき、周知する。受講生同士での議論も重視し、グループワークを行う可能性もある。授業形態は、対面授業である。

本科目は、統計学に関する実践的な科目である。他の関連する科目とあわせて履修することで、体系的な知識と技術を修得することができる(本科目の履修の必須条件ではない)。
 
授業の到達目標  
本科目の一般目標(GIO:General Instructional Objective)は、以下の4点である。
1 基礎的な社会データの量的分析について理解するために、統計学の理論や手法を学修する。
2 データの整理や統計解析ができるようになるために、Excel、およびその他のソフトウェアの操作方法を修得する。
3 分析の目的やデータの特徴に応じて適切な統計解析手法を選択し、得られたデータを適切に分析し、その結果を適切に解釈できるようになる。
4 データの分析を念頭に置いた研究計画ついて、考えることができるようになる。

そして、より具体的な行動目標(SBO:Specific Behavioral Objective)は以下の10点である。
1 記述統計について、説明することができる。
2 推測統計について、説明することができる。
3 データを適切に、図表化することができる。
4 統計的仮説検定の考え方を、説明することができる。
5 さまざまな検定・分析を、適切に使い分けることができる。
6 量的分析の考え方や特徴を、質的分析と比較しながら説明することができる。
7 Excel、および他のソフトウェアを用いて、データの統計解析を行うことができる。
8 社会データの量的分析に基づく研究論文を読んで、その方法や結果を適切に解釈することができる。
9 社会データの量的分析に関する研究計画を、自分で部分的にでも立案することができる。
10 実践演習の成果を、他者に正確に、かつわかりやすく伝え、内容に関して議論することができる。

これらは、経済学部のディプロマ・ポリシーの以下の項目と特に関連がある(順不同)。
・社会に関わる多様な学問に接し、広い知識と基礎的な考え方を習得している。
・多様な人と協働するためのコミュニケーション能力と規範を備えている。
・自主的に問題を発見し、課題として解決できるように取り組むことができる。
・データサイエンスの基礎的な考え方と手法を習得している。
・経済現象の基本的な内容と仕組みを理解することができ、その基礎的な分析の仕方を習得している。
・多様な観点から社会の現象を分析でき、社会をシステマティックに理解できる。
 
授業計画  
No内容
第1回 イントロダクション、統計学の役割、データ、尺度水準、統計ソフトウェアの準備

(授業計画で示す項目、順番、時間配分等は、状況に応じて微調整することもある。授業内で適宜、議論の時間も設ける。複数の科目で共通して重要なトピックについては、他の科目と内容が一部重複することもあるが、注目する視点はそれぞれで異なる。)
第2回 記述統計(演習含)、データの図表化(演習含)、確率分布
第3回 相関(演習含)
第4回 回帰(演習含)
第5回 推測統計、統計的仮説検定
第6回 平均の差の検定(演習含)
第7回 比率の差の検定(演習含)、相関係数の検定、回帰係数の検定
第8回 検定・分析の使い分け、社会調査、量的分析と質的分析
第9回 応用的な分析(パス解析、共分散構造方程式モデリング、因子分析、主成分分析等)の紹介、さまざまな統計ソフトウェア
第10回 二次データ、データアーカイブ、実際の研究論文を読む、実践演習(研究倫理指導含)1
第11回 実践演習2
第12回 実践演習3
第13回 実践演習4
第14回 実践演習5
第15回 振り返り、まとめ
 
事前学習・事後学習など授業時間外の学習  
予習:事前に配布する資料に目を通し、各回の概要を把握する。(1回の授業につき1時間以上)

復習:授業の内容を振り返り、配布する確認問題を各自で解く。統計ソフトウェアを用いて、データの分析を改めて行う。疑問が残る場合は、担当教員に質問して解消する。(1回の授業につき3時間以上)
 
成績評価の方法  
評価は以下で行う。
・期末レポート
 30% 応用的な論点も含め、授業全体の理解度の評価
・実践演習の取り組み、成果発表
 30% 講義内容に基づく、実践的な取り組みの評価
・2回の小テスト
 20% 基礎的な論点について、対象範囲の授業の理解度の評価
・各回の授業で提出するリアクションシートの内容
 20% 各回の授業の要点の理解度の評価、議論や考察への貢献度の評価、および平常点

これらの事務的な連絡については、授業内でも行う。
 
成績評価の基準  
期末レポートや小テスト等の記述問題と計算問題については、以下の項目に従って評価する。これらは、行動目標のうち主に1-7の評価となる。
・指定文字数に従っているか。過不足がないか。
・出題内容の問い、趣旨に答えているか。
・専門用語を適切、正確に使用しているか。
・文章が論理的か。
・誤字、脱字がないか。
・使用した統計ソフトウェアの種類や計算・結果出力の過程がわかるように、情報を残しているか。
・引用文献、参考文献の出典を適切に示しているか。
答案の作成にあたっては、以下の点を特に意識すること。
・設問をよく読み、指定された内容をすべて含めること(例:AとBについて説明せよ → AとBの両方を説明する)。

実践演習の取り組みと成果発表については、以下の項目に従って評価する。これらは、行動目標のうち主に8-10の評価となる。
・社会データの分析に関して、適当なテーマを設定しているか。
・統計学に関する知識や技術を、活用しているか。
・成果発表のための準備を、十分に行なっているか。
・演習全般に対して、主体的、計画的に取り組んでいるか。

最終成績の目安は、以下の通りである。
【秀】社会データの分析に関して、授業で扱った内容のほぼすべてを理解し、主体的に実践に活用することもできた。(90点以上)
【優】社会データの分析に関して、授業で扱った内容の大部分を理解し、実践に活用することもできた。(80点以上、90点未満)
【良】社会データの分析に関して、授業で扱った内容の要点は理解し、実践することもできた。(70点以上、80点未満)
【可】社会データの分析に関して、授業で扱った内容の一部は理解し、部分的には実践することもできた。(60点以上、70点未満)
【不可】授業の到達目標を達成することができなかった(上記の合格基準には達しなかった)。(60点未満)

生成AIの使用は可とするが、以下の注意事項を厳守すること。
・生成AIの出力結果をそのまま引用するのみではなく、他の方法でも調べた情報や自分自身の考察も加えること。
・生成AIの種類(ChatGPT、Gemini等)、設定したプロンプト、使用した箇所や目的を明記すること。

その他の基準については、滋賀大学の規程に従う。
 
教科書  
教科書1 ISBN
書名 教科書は使用しない。受講に必要な資料を配布する。
著者名 出版社 出版年
 
参考書  
参考書1 ISBN 9784758109765
書名 ていねいな保健統計学(第2版)
著者名 白戸 亮吉・鈴木 研太(著) 出版社 羊土社 出版年 2022年
参考書2 ISBN 9784623039999
書名 よくわかる心理統計
著者名 山田 剛史・村井 潤一郎(著) 出版社 ミネルヴァ書房 出版年 2004年
参考書3 ISBN 9784274226120
書名 Excelによる やさしい統計解析:分析手法の使い分けと統計モデリングの基礎
著者名 荒川 俊也(著) 出版社 オーム社 出版年 2020年
参考書4 ISBN 9784065371800
書名 Excelで今すぐ始める心理統計:簡単ツールHADで基本を身につける(第2版)
著者名 小宮 あすか・布井 雅人(著) 出版社 講談社 出版年 2024年
参考書5 ISBN 9784320112414
書名 Rで楽しむ統計
著者名 奥村 晴彦(著) 出版社 共立出版 出版年 2016年
参考書6 ISBN 9784000069731
書名 データ解析のための統計モデリング入門:一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC
著者名 久保 拓弥(著) 出版社 岩波書店 出版年 2012年
参考書7 ISBN 9784569846743
書名 理系学生が最低限身につけておきたい 君にもできる! 使える統計分析
著者名 長谷川 英祐(著) 出版社 PHP研究所 出版年 2020年
参考書8 ISBN 9784260062718
書名 質的研究 Step by Step:すぐれた論文作成をめざして(第3版)
著者名 波平 恵美子(著) 出版社 医学書院 出版年 2025年
参考書9 ISBN 9784320005983
書名 これからレポート・卒論を書く若者のために(第2版)
著者名 酒井 聡樹(著) 出版社 共立出版 出版年 2017年
参考書10 ISBN 9784320006102
書名 これから学会発表する若者のために:ポスターと口頭のプレゼン技術(第2版)
著者名 酒井 聡樹(著) 出版社 共立出版 出版年 2018年
教材に関する補足情報  
参考書の購入は必須ではないので、授業を受講しつつ各自で必要性を判断すること。
 
参考文献一覧  
授業中に適宜紹介する。
 
履修上の注意事項  
授業には、各自充電済みのノートパソコンを持参することを基本とする。そして、パソコンで有料版のExcelが使用できる受講環境を前提とする(タブレットや無料版のExcelでは機能の一部が制限されることがあるため)。Excel以外のソフトウェアの使用については、授業内で適宜解説する。機器やソフトウェアについては、初回の授業で詳しく説明する。不具合・不都合や質問等があれば、まずは担当教員に相談すること(初回の授業より前でも可)。

授業の内容や学修の進め方について不安・疑問がある場合も同様に、都度担当教員に相談・質問して解消を図ること。統計に関する苦手意識をなるべく減らし、社会データの定量分析の実践に繋げることを目指して欲しい。
 
キーワード(「実務経験のある教員による授業科目」は「実務経験」で検索)  
記述統計、推測統計、量的データ、質的データ、統計的仮説検定、有意確率、有意水準、社会調査、二次データ、統計ソフトウェア
 
備考(実務経験の内容と授業との関連を含む)  
なし
 
参照ホームページ  
授業中に適宜紹介する。
 
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